整形外科リハビリテーション科

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プレスネット2021年5月号掲載「腰の赤信号を知っていますか?」

プレスネット2021年5月号掲載「腰の赤信号を知っていますか?」

 腰痛は、とてもつらい症状ですが、腰痛の多くは数週間で改善する非特異的腰痛と言われています。ただし、その中に腰痛の赤信号(レッドフラッグ)と呼ばれる危険な腰痛もあることをご存知でしょうか。

腰痛症のガイドラインでは
①発症年齢が20歳未満または50歳以上
②時間や活動性に関係のない腰痛
③胸部痛
④がん、ステロイド治療、HIV感染の既往
⑤栄養不良
⑥体重減少
⑦広範囲に及ぶ神経症状
⑧構築性脊椎変形
⑨発熱
の9項目を危険信号としています。

 例えば、「じっとして動かなくても強い腰痛がありますか?」この場合はがんや脊椎の感染、内臓疾患などの可能性があります。「むねの前側にも痛みがありますか?」この場合は狭心症や心筋梗塞などの疑いもあります。

 「以前にがんになったことがありますか?食欲はりますか?体重がどんどん減っていませんか?」このような場合はがんの脊椎転移の可能性も考えます。

 「ステロイドや免疫抑制剤を飲んでいませんか?」ステロイドは骨粗鬆症になりやすくいつのまにか骨折を起こしている可能性があります。また、免疫抑制剤は免疫機能を低下させるため、脊椎に感染が生じているかもしれません。

 単なる腰痛だからと放置せずに、整形外科専門医を早めに受診していただくことをお勧めします。